塾の講師として働いていますが、生徒には知識を身に付けるだけでなく、楽しいと感じてもらえるような授業にすることを目指しています。
自分自身、中学生の時に塾で理科の授業を受けていましたが、実験中心の内容で楽しかった思い出が多いからです。
小学生の時は算数や理科が苦手だったのに、面白い授業をしてもらえたので、理数系が得意になりました。
子どもにとって楽しいと感じることが将来に大きな影響を与えると身をもって実感したので、授業には工夫を凝らしています。

教材にしたいところだが…

大学の同期生が今も研修室に残っているので、頻繁に連絡を取り合っています。
その彼から、研究室が新しい場所に引っ越すことになったので、古くなった実験器具などを自由に持っていっていいと話してくれました。
教授の許可も取ってくれているので、塾の授業に使えるものをもらうことにしました。
古くなった顕微鏡やビーカーの他に、赤外線水分計というあまり見かけないもの貰いました。
実験器具は古くなってもメンテナンスをしていれば性能次第で長く使用することができますし、新品で購入するには大きな負担になるのでありがたいです。
赤外線水分計は工場などで使うものの、実験室ではあまり使わないことから、新品同然に綺麗なものでした。
以前から分子とは何かを説明するときに教材としてあればいいと願っていましたが、新品で購入するのは経済的に難しかったので、無料で頂けるのは本当に嬉しいと感じました。
おかげで生徒が喜んでもらえる授業になりそうです。

水分計の使い方は学校では習わない

あまり生活には関係のないものなので、通常では水分計の使い方は学校で習うことがありませんし、その存在自体も知らないまま過ごしている人が多いです。
しかし赤外線水分計を使用することによって、加熱をして赤外線の波長を計算することで、調査する対象物に含まれている水分量を計算することができます。
岩石など割ることが難しいものや解体することが不可能なものの内容物を調べるときには最適な機械です。
とても高度な分析をすることができる反面、日常では必要のないものです。ただ使い方を知っておくことによって、分子単位で物とは何かを考えるきっかけになるので、理数系に興味を持つ生徒を増やすことが期待できます。
学校では習わないことを塾で学べるということが、塾の強みである柔軟性の高さであると考えています。
知識を詰め込んで受験に合格することを目的とするのではなく、学ぶことの楽しさを知ってもらうことが大事だと塾講師の一人として真剣に考えています。